近況

2月は水俣にいました。昨年から、長く滞在するようになり、「調査」という形で質問をして現地の情報を得ることよりも、親しい人たちと近況をお話しする機会が増えました。私はずっとセネガルの話をしていました。 経済発展を心から願い、貧しい暮らしから脱…

近況

年明け早々に西アフリカのセネガルを訪問しました。大学院で人類学を専攻する友人を頼って渡航したのですが、現地で暮らし日本からの在住者にとても助けられました。実は大学院の修士課程は途上国の開発支援を研究する人の多いところで、私も関心はあるもの…

あけましておめでとうございます

昨年は、ベルギーから帰国して、日本社会に最適応するために四苦八苦してました。今もあまりうまくいっていないところはありますが、生活面は立て直しができたかな、と思います。今後の予定がまだ不確定なことが多いのですが、今後も研究を続けていきたいと…

今年の三冊

年末なので久しぶりに、今年読んで印象に残った本を紹介します。 一般書編 歪な愛の倫理 ――〈第三者〉は暴力関係にどう応じるべきか (筑摩選書) 作者:小西真理子 筑摩書房 Amazon 哲学のアプローチで、DVや共依存について研究する小西真理子の新著。DVから逃…

永井均の発言について

永井均が、あるトランス差別に擁護ともとれる発言をして、ネットで話題になっている。発端は、永井の元教え子の谷口一平が、自分の投稿論文につけられた査読コメントをSNSで公開したことだ。谷口の論文はトランスジェンダーをテーマにしているが、査読の結果…

ドキュメンタリー出演者のその後の証言

偶然見つけた記事です。少女時代にネットフリックスのドキュメンタリー作品に出演していた女性が、大人になってそのことの影響の深さについて語っています。女性の父親は、妻(彼女の母親)を殺した事件の加害者として有罪判決を受けました。作品は大ヒット…

近況

パレスチナ・ガザ地区の虐殺のニュースが日々、ネットでも流れてきて、どうしようもない気持ちになりますが、長年、パレスチナの人々と繋がりながら物品販売を続けてきた「パレスチナオリーブ」で、6本入りのオリーブオイルを買ったりしました。このたび、団…

返答:宮崎駿監督「君たちはどう生きるか」

私の宮崎駿監督「君たちはどう生きるか」のModern Timesで書いた評*1に、Twitterで言及していただいているようなので、短く返答しておく。最近、Twitterの不具合が多いので、本文をコピーして掲載する。 概ね納得のいく批評だが2点。まず吉野源三郎の「君た…

近況その2

書き忘れたんですが、『現代思想』の誌上での森岡正博さんとの対談が、本に収録されて出版されました。端正で美しい装丁の本です。私の対談部分は再録なので書き足しはないのですが、森岡さんはいくつかのコラムを書き下ろしされています。 生きることの意味…

近況

半年くらい更新していなかったので、本人も何があったのかほとんど覚えていません。一月は東京で仕事して、二月は水俣に一ヶ月いて、三月は伊勢や天草に行き、東京で仕事して、四月も一ヶ月水俣にいました。五月後半から六月前半はオランダ・ベルギーにいて…

宮崎駿監督「君たちはどう生きるか」

公開初日の初回で観てきました。そうしてよかったです。ネタバレを踏まずに、真っ白な状態で観るのがベストな作品だと思います。しかも劇場で、ひとりで観るのが最高でした。 何を言っても蛇足とネタバレになってしまう作品なんですが、速報的に評を書いたの…

NAEPオンラインシンポジウム (2023) 参加者募集のお知らせ

今年も私(Orika Komatsubara)が共同コーディネーターをつとめるアジア環境哲学ネットワーク(NAEP)がオンラインの国際シンポジウムを開催することになりました。2023年11月2日-3日です。テーマは「アジアにおける動物・植物の概念」です。現在、個別報告の参…

デヴィッド・ウィリアムソン「対話」(俳優座公演)

劇団俳優座による、デヴィッド・ウィリアムソン「対話」の公演が今日から始まりました。 haiyuza.net 修復的司法がテーマの演劇ということで、私は初日のチケットを取って観てきました。この作品のなかで、レイプ殺人事件の被害者・加害者家族のサークル(円…

近況

1月6日に帰国して、日本での生活を再スタートをしています。しばらくは体調がすぐれず、仕事も詰まってしまって焦りました。振り返ると、大規模な時差ボケだったのかなあ、と……頭では日本に戻ったという意識があるけど、体のほうは急激な変化が受け入れがた…

近況

帰国が近づいてきました。こちらで仲良くなった人たちと別れを惜しむ日々です。なんとか、ベルギー滞在を延長できないか画策しましたが、とりあえずは「本帰国」が決まっています。職業柄、予算さえ取れればまた飛んでこようと思っています! 渡航前は想像も…

近況

ベルギーはすっかり冬に入ってしまいました。霧が立ち込めて寒いです。帰国が迫っているので、最後にあちこちどこかへ行きたいと思いつつ、外を見ては「今日は家にいよう」と思う毎日です。最近、谷川雁を熱心に読んでいるのですが、こんな一節がありました…

ブログを書かなくなった話。

小島アジコさんの記事を開いて、「それな」と思った。 最近、同年代のブロガーの人がブログや文章を書くことに対して、書く意欲が減っていくということを書いていて、自分も何か書こうと思ったけれども。 めんどくさいのでやめた。 orangestar.hatenadiary.jp…

近況

ベルギーはすっかり秋が深まり、グレーの空と雨の毎日です。心の準備はしていたものの、うつうつと日々を過ごし、家でぼんやりする時間が増えました。帰国が近づいているので、もっと遊びに行ったり博物館を見て回りたい気持ちはあるのに、休日は「部屋の掃…

貴戸理恵「「生きづらさ」を聴く」

「生きづらさ」を聴く 不登校・ひきこもりと当事者研究のエスノグラフィ 作者:貴戸 理恵 日本評論社 Amazon 社会学者の貴戸理恵さんから、新著をご恵投いただいた。タイトルになっている「生きづらさ」という言葉は、ネットでも何度も議論を呼んでいる。ひと…

栗田隆子「呻きから始まる 祈りと行動に関する24の手紙」

呻きから始まる 作者:栗田隆子 新教出版社 Amazon 友人の栗田隆子さんが、新著を出版された。栗田さんは、1980年代後半、日本がいわゆるバブル景気に湧く時代に青春期を迎えた。学校制度に違和感を持ち、社会への関心を寄せるなかで、高校に入学するとどうし…

社会運動と暴力

沖縄の反基地運動が話題になっています。座り込み(シットイン)の定義が議論になっていましたが、ものすごくよくある運動戦術なので、規模や場所や時間の長さなどがバラバラなのは当たり前だろうと思います。ところで、反基地運動であれ、どんな運動におい…

近況

環境破壊事例における修復的正義についてのハンドブックが、Palgrave社から出版されました。英語でも初めての環境修復的正義の論文集となっています。ご関心ある方は、お手にとっていただければ幸いです。なんとこの本の表紙の写真には、私も写っています。…

近況

そろそろ、夏の休暇も終わって大学に同僚たちが戻ってきました。私はまだ、9月末に学会報告の予定があるのでバタバタしています。少しずつ、在外研究の終わりが近づいており、航空チケットも取りました。1月初めには帰国予定です。 最後のあがきのように、あ…

近況

久しぶりの更新になります。6月まで論文を書いたり、学会報告をしたりで忙しかったのもあるのですが、なぜか自分のブログだけアクセスできない状況になりました、奇妙な状態が続いているので、運営に問い合わせしているところです。本人は元気でやっています…

アジア環境哲学ネットワーク・オンラインシンポジウムのお知らせ

2022年6月17日・18日に、アジア環境哲学ネットワークの第一回のオンラインシンポジウムが開催されます。第一言語は英語です。無料ですが事前に登録が必要です。 インドから日本まで十数カ国から20名以上の多様な報告者が登壇します。ワークショップでは、「…

水俣についてのイベントのお知らせ

熊本市の新聞博物館では、6月10日まで「写真家が見た水俣」の展示が行われています。プロジェクトの代表は、写真家の芥川仁さんです。貴重な写真を見る機会になっています。 kumanichi.com また、6月10日までトークイベントの録画が公開されています。YouTub…

近況

週刊新潮の書評欄で、中江有里さんが拙著を取り上げてくださっています。ありがとうございます。 www.bookbang.jp また、京都新聞にもインタビュー記事が出ました。もとからよく知っている広瀬一隆さんが聞き手だったので、自分としてはいつもより踏み込んだ…

近況

朝日新聞にロングインタビュー記事が出ました。拙著を取り上げていただき、ありがとうございます。 当事者は嘘をつく 作者:小松原織香 筑摩書房 Amazon ネットメディアModern Timesの、宮崎駿のシリーズは第二回が公開されました。今回はナウシカのなかの巨…

近況

先月の週刊金曜日3/25号に、太田明日香さんが書評を書いてくださっています*1。「個別的な体験を描きながら、性暴力の総体を描きだす」という見出しの記事で、とても嬉しい紹介のされ方でした。 週刊金曜日 2022年3/25号[雑誌] 作者:編集部 Amazon パラパ…

近況

大阪大学倫理学・臨床哲学研究室の主催するフォーラムで、「研究者になるということ:研究者と当事者のあいだで」というオンライン講演をすることになりました。無料です。ご関心ある方は事前にご登録ください。 第7回臨床哲学フォーラム「研究者になるとい…