近況
年明け早々に西アフリカのセネガルを訪問しました。大学院で人類学を専攻する友人を頼って渡航したのですが、現地で暮らし日本からの在住者にとても助けられました。実は大学院の修士課程は途上国の開発支援を研究する人の多いところで、私も関心はあるもののその頃は性暴力の問題を考えるので手一杯でした。まさか、今からアフリカに関心を持つとは夢にも思っていませんでした。
行くと決めてからわかっていたことですが、セネガルに惹きつけられたし、今後もアフリカついて学んでいきたい気持ちになりました。「もう40を越えてしまった」という思いと、「まだ40過ぎだぞ」という思いの間で揺れます。言語も、フィールドワークのスキルも全く足りないですから……それでもやれることはやって、悔いのない研究者生活を送っていきたいです。
さて、筑摩書房から嬉しいお知らせもいただきました。拙著が増刷になったそうです。五刷目です。出版から2年が経つにもかかわらず、今もお手にとっていただけことがありがたいです。時事的な本ではないので、末長く読んでいただけるといいなあ、と思っています。
東京人権啓発センターが発行する「TOKYO 人権」の第100号に、私のインタビューが掲載されています。表紙がでかでかとした顔写真で気恥ずかしくはあるんですが、とってもよく写してもらいました。写真家の方がすごく上手だったので楽しく撮影できました。
内容は、多くの人権センターの記事とちょっと毛色が違い、挑戦的な内容になったようです。担当者が頑張ってくれました。読んだ方からお仕事の依頼があったりして、ありがたい話だな、と思っています。
集英社の「すばる」に翻訳者の小山内園子さん、作家の井戸川射子さんとの対談が掲載されています。
翻訳者のくぼたのぞみさんと斎藤真理子さんの書簡集『曇る眼鏡を拭きながら』について、お話ししました。私は文学も翻訳も門外漢なので恐縮ですが、いつも通り自分の話をしています。また、私にとって文章を書くことは、自分の奥底に沈潜して言葉を探す作業なのですが、翻訳の仕事は周囲を見回して風景を観察し、文脈を掴みながら進めていく作業だということがわかったことが、とても興味深かかったです。