新刊のデザインが出ました。
筑摩書房の柴山さんが、私の本の装丁をTwitterで公開しています。
【お知らせ】
— 柴山 浩紀 (@hiromar12) 2022年1月7日
小松原織香さんの『当事者は噓をつく』が1月末に発売となります。
「これこそ私が待っていた一冊である」うれしい推薦文は、信田さよ子さんからいただきました。
ブックデザインは、鈴木成一デザイン室です。
取材依頼等、お待ちしています。https://t.co/mK5nMMIulW pic.twitter.com/0huDgyHJTL
白と赤のインパクトのある装丁で、初めてみた時は「おおっ」となりました。本屋さんで目立ちそうです。
まだ、通販サイトでも書影は出ていないのですが、以下から予約はできます。友人たちが「予約したよ!」と連絡をくれて嬉しかったです。知り合いに自分の過去の話を読んでもらうのはちょっと恥ずかしくもありますが、とてもありがたいです。そして、前回の本よりずっと安いのでそれも喜ばれました。どうしても研究書は高くなってしまうのですが、今回は一般書ですし、たくさん刷ってもらうので安くなります。でも、そのぶん、たくさん売らなければならないのでは……? みなさん、よろしくお願いします*1。
Twitterではいろんな方が反応してくださっていて、ありがたいなあと思っています。そのなかのお一人が、本を出されていたので石田月美「ウツ婚!!」を読みました。
石田さんは、メンタルヘルスの困難を抱えながら、精神医療や自助グループのたすけを借りて回復の道を探します。支援者は障害者手帳を進めますし、生活保護の利用も考えます。そのなかで「婚活をする」と決めて奮闘し、実際に結婚するに至ります。そのプロセスが軽妙な文体で語られています。
石田さんのキャラクターや葛藤は私とはだいぶん違うところもありますが、支援者が理想とする回復の道を蹴っ飛ばして、自分が決めたけもの道を歩いてきたところは共通しているように思いました。石田さんが婚活を始めたのは27歳ですが、私が大学院に進学したのは28歳です。婚活と研究という違いはありますが、周りの心配はなんのそのでマイウェイを突っ走ったところと、なにかあれば当事者仲間にメールしまくるところにとても共感しました。地元が同じ人、という感じです。
私は、同世代の生き延びた人たちが、次々と出てきているし、新しい言説が生まれていくといいなあと思っています。同時に、私たちが語れるようになった頃には、もう次の世代が本当は新しい文化を創り出しているのだろうとも想像します。いつも、「みんなに公開されるナラティブ」と「今起きていること」の間には距離があります。それこそが、トラウマというものの本質だとも思いますが。遠く離れた星が、私たちの目には美しく輝いて見えるけど、本当はもう今は爆発してなくなっているようなものです。