2017-01-01から1年間の記事一覧

性暴力被害者の告発をどう受け止めるのか?

この記事は三部構成になっています。関心に即してお読みください。 (1)はあちゅうさんの性暴力の告発 (2)はあちゅうさんに対する批判 (3)告発した被害者と支援者はどのような状況に置かれるか (1) はあちゅうさんの性暴力の告発 いま、インターネット上で性…

小松原織香『性暴力と修復的司法』

このたび成文堂から『性暴力と修復的司法』を出版することになりました。アマゾンで予約が開始されましたので、お知らせいたします。性暴力と修復的司法 (RJ叢書10)作者: 小松原織香出版社/メーカー: 成文堂発売日: 2017/11/12メディア: 単行本この商品を含…

マンガ作品の表現規制について

私はマンガ作品が人間の価値観に影響を与える可能性を拝しない。価値観は社会的に構成される部分が大きいので、社会に流通するマンガ作品もその一部として機能しているだろう。私たちの性/性役割についてについても、マンガ作品が差別を深めたり、差別に抵抗…

ザ・ノンフィクション「会社と家族にサヨナラ 〜ニートの光の幸せ〜」

日本で一番有名なニートことid:phaさんを中心に運営している「ギークハウス」が、テレビ番組「ザ・ノンフィクション」に取り上げられた。 「ザ・ノンフィクション後編は25日放映です」 http://pha.hateblo.jp/archive/2017/06/24 ギークハウスは、30代前後の…

警察官が被害者に「処女ですか?」と聞く必要はない

インターネット上で、警察官が性暴力被害者に「処女ですか?」と聞くのは、「処女の被害であれば強姦致傷になるからだ」という流言が飛び交っている。警察のセクシュアルハラスメント行為を正当化する言説であるので、訂正を求めたい。 以下で(1)「強姦」と…

「成人向け同人小説」を研究対象にする場合の問題について【追記あり】

id:lisagasuさんからブクマコメ*1でコールをいただいていたので、「成人向け同人小説」を研究対象にする場合の問題について、簡単に私の意見を述べる。これは、人工知能学会に掲載された論文において、「成人向け同人小説」を作者に無断で分析対象にし、その…

小森はるか「息の跡」

この映画は2013年から2016年の陸前高田を撮影したドキュメンタリーである。陸前高田は津波の甚大な被害を受けた。多くの人が家族や大事な人を亡くし、住むところを失くした。その被害のあとすぐに、国道沿いにある「たね屋」が再建した。「たね屋」の佐藤さ…

我妻和樹「願いと揺らぎ」

我妻和樹「願いと揺らぎ」の上映会に参加した。 東北支援チャリティ上映会 『願いと揺らぎ−震災から1年後の波伝谷に生きる人びと−』 https://www.facebook.com/events/1799698950281479/ この作品は我妻和樹監督の「波伝谷に生きる人びと」の続編である。201…

あけましておめでとうございます。

昨年は博士号を取得いたしました。博士論文は、皆様に広く読んでいただけるよう、準備しているところです。無事に形になりましたら、こちらでもお知らせする予定です。 4月から大学の非常勤講師として教壇にも立つようになりました。社会問題を考えることを…