近況

 パレスチナガザ地区の虐殺のニュースが日々、ネットでも流れてきて、どうしようもない気持ちになりますが、長年、パレスチナの人々と繋がりながら物品販売を続けてきた「パレスチナオリーブ」で、6本入りのオリーブオイルを買ったりしました。このたび、団体がテレビで取り上げられたそうです。

newsdig.tbs.co.jp

 ものすごく厳しい状況ですが、それでも共に暮らすことを目指して、現地の生産者さんたちがオリーブオイルの製作や刺繍作りに取り組んでいる様子が放送されました。11月18日には、アラブパレスチナユダヤイスラエルのボランティアの人々が500人集まって、オリーブの収穫をしたそうです。オリーブオイルは以下のサイトから通販が可能です。

www.paleoli.org

 前のブログ以降、バタバタしていてまた更新が途絶えていました。8月にクリタ水・環境科学研究賞をいただきました。東京のホテルで受賞講演やパーティーがあって、理系の研究者の中にポツンと人文研究者がいるという、ちょっとした異世界体験でした*1。まだ以下のサイトには載ってないのですが、そのうち更新されると思います。

www.kwef.or.jp

 青土社の『ユリイカ』の金原ひとみ特集に「死を与えるものを待ち望む 金原ひとみ『軽薄』のカナの欲望」を寄稿しました。デリダの『死を与える』を引用しながら、小説作品を論じています。

www.seidosha.co.jp

 今年は国際学会やシンポジウムでいろいろ発表しました。

eurocrim2023.com

carnetsjapon.hypotheses.org

research.kyoto-u.ac.jp

 それから、伊勢志摩や水俣で企画をやったりしました。その報告集は来年度、『環境と対話』第三号として発行予定です。ほかにも、原稿はいろいろ書いていて、来年はいくつかの雑誌に載ると思います。

 今は、来年出る予定の本の原稿を書いています。恐ろしいことに、もう広告が出てしまったので落とすわけにはいきません。頑張ります。

叢書クロニック(ライフサイエンス出版)

https://www.lifescience.co.jp/chronic/index.html

 年末だからか、はてな村の内輪のインターネット昔話が盛り上がっています。いつも同じメンツのような気がしますが、私も毎回読んでしまってます。もう、商業出版社がウェブ連載を持ちかけてくる時代で、アマチュアが勝手に書き散らしてブログがバズる時代でもないですね。

p-shirokuma.hatenadiary.com

 ただ、過去を懐かしむことができる人は、当時もけっこう人生が上手く行っていた人では?私は2000年代後半は金もないし、大学院進学できるか不安で、ブログ書くくらいしか自分を表現できる場はなくて……とか思い出すだけでゲロ吐きそうな記憶しかないので、全然、あの頃が良かったとは思えません。そんなものでしょう。

 そして、宝石みたいな文章が無造作に転がってるのは、今のインターネットは同じだと思います。今年、一番良かったのはこれ。地方には文化がなくて東京が一番いい、という主張に対するアンチテーゼとして出てきた増田の小文です。

anond.hatelabo.jp

 これ書いたのは間違いなく、前に出水について書いていた増田でしょう。出水は水俣の南側にある鹿児島県の街。このあたりでは一番栄えています。私も温泉やスーパーに連れて行ってもらったことがあります。増田が、石牟礼道子を読んでるかどうかはわからないけど、「このカニ水俣(のあたり)のカニだ!」と思ったので、すぐに気づきました。

anond.hatelabo.jp

 カニだけで、そこの地域がどんなところか読者に悟らせる増田は、本当にすごいと思ったし、こういう逸材がしれっと匿名で書いてるのがインターネットなんだと思います。こんなふうに気取らずに自然の特徴を描き出す文章を書きたいと、私は日々思っているので、ちょっと羨ましかったです。「これが文化だし、自己表現だよねえ」と思いました。

*1:参加者の大半がスーツの男性だったんですよ。よく考えれば、私は国際学会ばかりに出て国内の研究者が集まる場にあまり顔を出していないのもあって、余計にカルチャーショックだったんだと思います。ジェンダー比が気になることについては、事務局の方とお話しする機会があったのでお伝えしました。