加納実紀代編「女性と天皇制」

女性と天皇制 (1979年)作者: 加納実紀代出版社/メーカー: 思想の科学社発売日: 1979/07メディア: ?この商品を含むブログ (1件) を見る古本屋で500円で買ってから、本棚に放置していた。なんともなしにパラパラ読み始めたが、強烈な本である。1977年から「思…

上野千鶴子・辻元清美「世代間連帯」

上野千鶴子の「おひとりさまの老後」が売れている。おひとりさまの老後作者: 上野千鶴子出版社/メーカー: 法研発売日: 2007/07/01メディア: 単行本購入: 13人 クリック: 480回この商品を含むブログ (176件) を見る上野さんは、団塊の世代の女性たちに、自ら…

山田詠美「学問」

学問作者: 山田詠美出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/06/30メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 73回この商品を含むブログ (71件) を見る 「1Q84」があまりにもひどかったので、口直しに本屋に走って買いに行った。こちらは、ほんとに対照的な作品で、…

村上春樹「1Q84」

(がんがんにネタバレあります。ミステリ仕立てなので、畳んでおきます。)

原田正治「弟を殺した彼と、僕。」

来週の日曜日、7月26日に原田正治さんの講演会が開催される。(http://d.hatena.ne.jp/font-da/20090701/1246409740)私は司会進行を務める予定だ。原田さんの著書「弟を殺した彼と、僕。」は残念ながら絶版になっている。弟を殺した彼と、僕。作者: 原田正治,…

田山絵里「飯島愛 孤独死の真相 〜プラトニック・セックスの果て〜」

昨年、12月に急逝した飯島愛の追悼本が出版された。飯島愛 孤独死の真相―プラトニック・セックスの果て作者: 田山絵理出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2009/03/20メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 46回この商品を含むブログ (8件) を見るその死の謎を追…

津村記久子「ポトスライムの舟」(芥川賞受賞作)

「文藝春秋」に、今年の芥川賞受賞作が出ていたので、買って読んだ。今回は津村記久子「ポトスライムの舟」であった。派遣社員としてライン作業で働き、奈良で母親と生活している女性、ナガセの日常を綴った物語である。ナガセは29歳から30歳になる節目に、1…

今年の3冊(一般書籍)

日付が変わるまでにこれだけ書きたかったので、リストのみ。加害者は変われるか?―DVと虐待をみつめながら作者: 信田さよ子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/03メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 71回この商品を含むブログ (22件) を見る過去記事:…

見田宗介「まなざしの地獄」

まなざしの地獄作者: 見田宗介出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2008/11/07メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 7人 クリック: 45回この商品を含むブログ (48件) を見る河出書房新社から出た本が、平積みにされているのを久しぶりに見た気がする。「…

大野左紀子「アーティスト症候群」

アーティスト症候群―アートと職人、クリエイターと芸能人作者: 大野左紀子出版社/メーカー: 明治書院発売日: 2008/02/01メディア: 単行本購入: 37人 クリック: 1,184回この商品を含むブログ (55件) を見る この本で、大野さんは、「アーティストと呼ばれたが…

「『萌え』の正体」(「國文学11月号」)

國文學 2008年 11月号 [雑誌]出版社/メーカー: 学燈社発売日: 2008/10/10メディア: 雑誌購入: 1人 クリック: 21回この商品を含むブログ (15件) を見る 「國文学」が、トチ狂って「萌え」についての特集を組んだので、一応買った。「萌え」というのは単なる流…

ぱーぷる「あしたの虹」

瀬戸内寂聴が、ケータイ小説を別名で書いていたことが公表されて、話題になっている。83歳で、小説家としても有名な女性の挑戦として、好意的にとる人は多いようだ。 瀬戸内さんは、プロフィールの段階でノリノリで書いている。「【好きな食べ物】お肉(特に…

永久保陽子「やおい小説論」

先日の「日本記号学会第28回大会 遍在するフィクショナリティ」についての記事が大反響ですごいなあ、と思っていたら、さらに話は続いているようだ。id:kmiuraさんの「まさに偏在しているフィクショナリティ」というアイロニーのきいたタイトルの記事によ…

信田さんにコメントもらいました。

先日書いた信田さよ子「加害者は変われるか?」の感想について、信田さんがご自身のブログでコメントくださっています。 「加害者・・」について、某ブログで絶賛されているのを読んだ。 非常に正確に私の意図を読み取っており、ここ10年来の私の本の論調・テ…

信田さよ子「加害者は変われるか――DVと虐待をみつめながら」

加害者は変われるか?―DVと虐待をみつめながら作者: 信田さよ子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/03メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 71回この商品を含むブログ (22件) を見る 3月末に出た新刊である。現時点で、私は「この本は、日本における被害…

デリダのパレルゴン論2

前回の続き。絵画における真理〈上〉 (叢書・ウニベルシタス)作者: ジャックデリダ,Jacques Derrida,高橋允昭,阿部宏慈出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 1997/12メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 12回この商品を含むブログ (11件) を見る予想以上…

デリダのパレルゴン論

ジャック・デリダのパレルゴン論を読み始めた。絵画における真理〈上〉 (叢書・ウニベルシタス)作者: ジャックデリダ,Jacques Derrida,高橋允昭,阿部宏慈出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 1997/12メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 12回この商品を…

ユリイカの「やおい」特集

事情があって、購入した。ユリイカ2007年6月臨時増刊号 総特集=腐女子マンガ大系出版社/メーカー: 青土社発売日: 2007/06/01メディア: ムック購入: 1人 クリック: 105回この商品を含むブログ (86件) を見るユリイカ2007年12月臨時増刊号 総特集=BL(ボーイズ…

橋爪節也「大大阪イメージ――近代都市文化の新しい分析プログラムを求めて」

大大阪イメージ:増殖するマンモス/モダン都市の幻像作者: 橋爪節也出版社/メーカー: 創元社発売日: 2007/12/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (11件) を見る 現代においても、「大阪」は特別な都市である。「東京」と対にして…

岡真理「記憶/物語」

私にとって岡真理は鬼門である。なぜなら、私の書きたいものは、たいてい岡さんがずっと上手に書いているからだ。いつも読みながら「どうか、私の考えていることを岡さんが書いていませんように」と祈っている。 と言いつつ、私と岡さんは決定的に、感覚が違…

東浩紀・北田暁大『東京から考える』*1

『東京から考える』を手に取った。近年、期待される若手の人文科学と社会科学の書き手なので、注目を集めた本だ。ぱらぱらとめくるうちに違和感ばかりが増す。これは、地元情報誌や、フリーペーパーで連載すべき雑文ではないのか。以前、あるMLで批判したチ…