性暴力救援センター・大阪が設置されます

 「性暴力救援センター・大阪」(Sexual Assault Crisis Healing Intervention Center Osaka/性暴力危機治療的介入センター大阪/略称「SACHICO」)ができるそうです。先日、あるシンポジウムでリーフレットをいただき、設立準備室の室長から紹介がありました。私は関与していませんが、まだネットであがっていない情報のようなので、概要を紹介しようと思います。
 「SACHICO」は、性暴力被害者のための24時間ホットラインを阪南中央病院内につくり、即座に産婦人科を受診できるようにします。夜間に被害にあったり、被害後すぐにはだれにも相談できず、夜間になってヘルプを求めたりする被害者も、迅速に産婦人科で診察を受けたり、緊急避妊ピルを手に入れたりできます。また、SANE*1臨床心理士ケースワーカー精神科医、小児科医、弁護士、法医学者などのネットワークも持ち、被害者につなぎます。さらに警察と連絡をとったり、婦人科医会、法律事務所、ウィメンズセンター、女性団体との連携もとります。
 これまでは、性暴力被害者が自力であちこちにアクセスしなければなりませんでした。現状では、性暴力被害者対応ができる病院を探すのにも一苦労します。私自身、土曜日の昼過ぎに、友人から性暴力被害に遭ったという相談を受けたことがあります。緊急避妊ピルは、72時間以内に服用しなければなりません。被害にあったのが金曜の朝方でしたから、土日の休診を挟むと時間的に間に合わなくなります。必死の思いで、友人が住む地域で、緊急避妊ピルを処方する産婦人科を探しました。結局、救急病院の時間外外来で処方を受けることができましたが、対応はよくなかったです。*2被害を受けた当人であれば、大きな負担になると思います。
 もちろん、警察にいけば対応できる病院を紹介されるかもしれません。ですが、多くの被害者は、被害直後は混乱していて、警察で話すことに恐怖や抵抗をおぼえます。ほかの外傷を負うような犯罪に巻き込まれれば、警察に行く前に、病院に行くでしょう。おなじく性暴力であっても、体に負担のある犯罪なのですから、警察より先に病院にアクセスできる環境を作ることは大事です。
 そこで、SACHICOのように、24時間対応ホットラインを持ち、医療の対応を求める窓口の設置が必要になるのです。

 SACHICOは、2010年4月1日より阪南中央病院内に開設予定です。現在の連絡・問い合わせ先はウィメンズセンター大阪になっています。

ウィメンズセンター大阪 
〒545-0051 大阪市阿倍野区旭町2−1−1−123

電 話  06−6632−7011
FAX  06−6632−7012
M a i l  wco@wco-net.jp
http://homepage3.nifty.com/wco/

 また、SACHICOの設立準備室は、アミーケ基金(寄付により作られた基金)から活動資金を得ています。これからさき、長い運営は寄付に頼ることになるようです。寄付のお願いも出ています。

郵便振替口座
口座番号 00900-7-163580
加入者名 アミーケ基金協会
*一口 5000円以上何口でも結構です
お名前・ご住所・電話番号のご明記をお願いいたします。
また、お名前の公表について「公表可」もしくは「公表不可」のいずれかを備考欄に必ずお書きください。

追記書きました

「性暴力被害者への行政の支援は削られています」
SACHICOは、行政が設置するのではありません。
http://d.hatena.ne.jp/font-da/20091104/1257333088

*1:性暴力被害者対応の特別な研修を受けた看護師・助産師・保育師

*2:電話で処方が可能なのか問い合わせると、ナースに「こんな時間(時間外)にですか?」と嫌そうに言われました。