<性同一性障害>就職内定取り消されデザイン会社に損賠訴訟

性同一性障害>就職内定取り消されデザイン会社に損賠訴訟

性同一性障害GID)による就職内定取り消しは違法として、男性として暮らす女性(33)が、広告デザイン会社「アドテクニカ」(静岡市駿河区)を相手に、慰謝料など約198万円の支払いを求めた損害賠償訴訟を静岡地裁に起こしていたことが分かった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080213-00000038-mai-soci

この裁判の詳細はわからない。しかし、なぜ履歴書や就職試験の願書はもちろん、学校の入学試験申込書にも性別表記欄があるのか。私は理解できない。性差別がないというのなら、性別を聞く理由もないはず。
 それからGIDと書きながら、なんで原告のことを「女性」と表記する?この記事の表記自体すでに、もうGID差別のような気がするんですけども。原告へ、「GIDなら、戸籍の性別変更をすればいい」という批判も一部から向けられている様子。「障害なんだから、受け容れてあげないと、かわいそう」とか。このへんが、GIDを取り巻く難しい問題だなあ、と思う。
 結論から言うと、女性差別がなくなり、戸籍制度を廃止し、障害者差別がなくなり、男女二元論を廃止したら解決するんだけど……複合的な問題だなあ。少なくとも、この問題の全てを、GID当事者に背負わせるようなことだけは、避けなければならない。やることは、いっぱいあるよね。

追記

 繰り返しになりますが、私はこの裁判の詳細は知りません。(だから、特にコメントもできません)興味のある方は、お調べください。現段階では、なんの判決も出ておらず、安易に原告や被告の談(とされている、他人が書いた記事)を信じるのは危険です。ましてや、短いニュースですから、こんな記事で裁判を評価するのは危険です。(ということを、一応書いておきます)*1
 あと、戸籍に表示されている性は、「正しい性」ではありません。現行法にのっとり、生物学的特徴から推察されカテゴライズされた性にすぎません。このへんは、GIDトランスジェンダーというカテゴリーについての議論の中で、いろんな人がいろんなことを言っています。たとえば蔦森樹「ジェンダーは世界最大の暴力装置である」(http://homepage2.nifty.com/mtforum/tsutamori.html)とか。

追記その2

 ふらふらブログを見ていると、この話題で、so coolな記事がありました。GID当事者が、実際には性別表記に対してとっている戦略です。

だいたいが、こちとら何年性同一性障害やってると思ってるんだ? 性同一性障害を前提に人間関係築くのは慣れてるんだよね。

Yugui「性同一性障害者の性別記載について。実例と考察。」『ratio - rational - irrational』(http://idm.s9.xrea.com/ratio/2008/02/14/000751.html

ヒョーッ!カッコイイ!しかし、必ず最後の「あとがき」まで読むこと。*2

*1:私の認識では、言わなくても当たり前なんですけどね……なんか普段のうちのブログとは雰囲気の違うかたたちが来られてるみたいです。ニュースから、関連の記事で飛んでこられたみたい。ので、こういうことも書いたほうがいいかなーと。裁判と報道の関係って、なかなか難しいからなあああ。

*2:きちんとオチました。