京都市営保育所の民営化の中止を求める署名
知人より教えてもらった署名のお願いです。京都市営保育所の民営化を市側が進めていますが、保護者会が中止を求めています。
公営保育所には、いろんな家庭の子どもが集まります。養育家庭の所得も違えば、保護者の育児の考え方も違います。障害を持つ子どもも、アレルギーを持つ子どももいます。多様な子どもたちが、いっしょに育っていく場が、公営保育所です。そんな子どもたちをバラバラに分けて、異なる文化や価値、違った体や心を持つ友だちと、出会うチャンスを奪おうとしているのが、今の市側が進めている民営化のようです。
もちろん、多様な子どもたちをケアをするには、お金も時間もかかります。これまでも、現場の保育士さんは一生懸命、対応してきたはずです。その予算を削って、私たちは何にお金を使うのでしょうか?合理化や節約のために、子どもたちを育てるコストを減らすことが、この社会をよくすることでしょうか?乳児を抱えた保護者は、自分の身を削って、この問題に取り組んでいます。市側は、保護者の主張に耳を傾け、(一方的に市の方針を押し付けるのではない)説明と対話に応じる必要があると思います。
これまで、私は鈴木亘さんという、保育所に市場原理を導入することを提唱する経済学者の言説を、批判的に紹介してきました。
「市場原理はいいことづくめ?」
http://d.hatena.ne.jp/font-da/20080501/1209657480
「『平均年収800万円が高い』という主張の根拠が主観では、単なるルサンチマンです。」
http://d.hatena.ne.jp/font-da/20080502/1209720248
「保育園ガッポガッポ説 」
http://d.hatena.ne.jp/font-da/20091117/1258468200
「保育の現場の状況をどう考えるのか」
http://d.hatena.ne.jp/font-da/20091121/1258823393
実際に、各地では保育所運営に市場原理が導入されていっています。各地で、これまで利用していた保育サービスが変わってしまったり、なくなったりして、困っている保護者はたくさんいるのではないでしょうか。この問題に多くの人の関心が向かうことを願います。
京都市営保育所の民営化の中止を求める署名のお願い
現在、京都市は、市議会での審議もなく市営保育所の民営化(民間移管)を進めています。
保育所の民営化は、保育環境の変化や混乱による乳幼児の心身への影響が大きく、これまで各地で訴訟も相次いでいます。
また、民営化方針を決めた京都市の社会福祉審議会では、現在全体の1割しかない市営保育所を将来的には各区に一つにまで減らし、そこに障害児や貧困家庭の子どもなどを集めればいいという発言までなされました。わけへだてなく保育を保障してきた市営保育所を選別と収容の場に変えることは、保育施策全体の問題であり、これまで民間園であった障害や重いアレルギーのある子どもなどの選別的な入所拒否をより拡大させます。どうぞ署名にご協力をよろしくお願いします。
●しめきりは12月20日です。
●hoiku-syomei@hotmail.co.jpまで氏名と住所(都道府県から番地まで)をお伝えください。
●外国にお住まいでも日本国籍があれば署名できます。
●外国籍の方でも住所が日本国内であれば署名できます。言語は何語でもOKです。
●氏名・住所等の個人情報は、請願の目的以外には使用いたしません。
朱雀乳児保育所保護者会役員
盛岡晋吾以下は署名用紙の全文です。
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京都市長 門川 大作 様保護者合意のない市営保育所民営化の中止を求める要請署名
2012年10月
京都こども未来ネット
連絡先 京都市中京区河原町御池京都市役所地下
京都市職労民生支部
電話 075−222−3897京都市は今年5月に「市営保育所の今後のありかたに関する基本方針」で船岡乳児保育所、室町乳児保育所、朱雀乳児保育所、及び南区内の一部の市営保育所の民間移管方針を策定しました。
それを受けて「京都市営保育所移管先選定等委員会」で移管先法人等の設置基準について審議が行われ、9月には移管対象となった3乳児保育所の移管先法人等の募集が開始されました。10月の第6回選定等委員会において南区内市営保育所の移管対象予定となる保育所の選定に関する審議を始め、南区内市営保育所保護者会からの意見聴取を行いました。京都市からの民間移管方針についての説明に保護者が納得していないことが明らかになったにもかかわらず、京都市はスケジュール優先で民間移管を強行しようとしています。
民間移管が実施されると、運営主体および保育者が変更されます。この事は保育の実施内容の重大な変更であり、入所児童への影響も大きいことから、京都市として保護者に十分な説明責任を果たすことが求められています。何よりも、保護者との合意もないまま、民間移管を強行するならば、移管先法人への移行にも支障をきたし、京都市と保護者との信頼関係も損なわれ、将来に禍根を残す事になりかねません。その事で一番被害を受けるのは何の責任もない入所している子どもたちです。
ついては以下の項目を要望します。<要請項目>
保護者の合意のないまま市営保育所の民間移管を行なわないこと。
氏 名
住 所*個人情報については要請署名の目的外には使用しません。
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以上です。