膣の中に入れるもの

 産婦人科医の河野美代子がブログで、「女性の膣に男性が指を入れるのはやめなさい」と提言している記事が話題になっています。

性教協全国大会(2)ついでに男性に伝えたいこと。」
http://miyoko-diary.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_a11f.html

 河野さんは診療の中で、男性が膣の中を爪が伸びた指でかき回したため傷ついた女性と出会ってきました。ときには傷が深く、大出血を起こしたり、一カ月しても治癒しなかったりすることもあったそうです。河野さんは次のように指摘します。

男性たちはアダルトビデオの真似をして、指を入れているようです。ほとんどの女性は、指なんて入れたってちっとも良くなんかないのに、AVの女優さんが感じた演技をするのを、本当にそうなのだと思うのでしょう。そうして、そうするものだと思うのでしょうね。

河野さんはこちらの記事でも同様の指摘をしています。

「コンドームのお話(4)アダルト・ビデオで学んでいる。」
http://miyoko-diary.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_c69a.html

 これは大事な指摘だと思います。膣は柔らかい粘膜で、爪が伸びた指は入れると傷つきます。そして、セックス中に「傷つけられた」という経験は、女性にとってもしんどいものだし、入れた側にとっても「傷つけてしまった」という経験は他人に相談しにくいし、人によってはショックを受けるものでしょう。
 ただ、私はこの記事を以前にも読んだのですが、すごく違和感がありました。河野さんは「ほとんどの女性は、指なんて入れたってちっとも良くなんかない」と言いますが、私は膣に指を入れられるのが好きです。自分でもオナニーのときにいれます。自分がどの程度の少数派なのかはわかりませんが、「指入れ」「手マン」が好きな膣を持っているものとしては「入れるな」と言われて少しさびしかったです。
 そして河野さんは膣に入れるものとして「ペニスの先はまあるくやわらかく、女性を傷つけないようになっています」とペニスをあげます。しかし、別にペニスだけが「女性を傷つけないようになって」いるわけではありません。そこで私の(オナニーを中心とした)経験から、ペニス以外のものを膣にいれるときの注意点を書きたいと思います。
*以下、具体的なことも書いているので、閉じておきます。
*真面目に知識を伝授するエロサイトを見たほうがもっと詳しい知識が身に着くかもしれませんが、そういうのを探すのが苦手な人向けということで。
*この記事の需要がはたしてあるのかはわかりませんが、夏休みだし興味がある若い人たちの目に留まればいいな、と思います
 膣が何を気持ちいいと思うかは、その人の膣の形や体調でも決まります。ペニスの小ささを気にする男性も多いですが、大きすぎてペニスが入らないという悩みもあります*1。膣はある程度収縮するので、精神的にリラックスすれば、ペニスの形に合わせることができるとも言います。それでも、時には細くて長いものを入れたいこともあれば、丸くて短いものを入れたいこともあるでしょう。
 そこで、便利なのがバイブです。インターネットでも購入できます。ひとつ大事なことは、実際に入れられる側の要望で買ったほうがよいということです。入れる側が入れたいものではなく、入れられる側が入れたいものを優先したほうがよいと思います。
 バイブは素材もいろいろです。柔らかいもの、金属、温められるもの、ひやっとするもの、水洗いできるもの、溶けるものなどです。ペニスの代わりにバイブを入れる必要はないので、単純に入れてみたいものを選びます。一緒にバイブクリーナーや、フィンガードムを買うと便利です。
 使用する前には説明書を読みます。前に買ったバイブを使うときには、かならず電池のチェックを。使おうと思った時、電池が弱っていると、とてもガッカリします。もう一回服を来て、コンビニに電池を買いにいく気力は出ません。それから、できればフィンガードムを、なければコンドームをかぶせて使います。(直接使えるものはそのままで大丈夫)使い終わったあとは、水洗いできるものはきれいに洗います。また、洗えないものはバイブクリーナーで拭きます。衛生面から、共用はやめましょう。
 バイブだけではなく、日常の目につくいろんなものを、膣に入れてみたくなる人はたくさんいますし、とれなくなって病院にいる人も少なくはないようです。なので、もし失敗したら諦めてさっさと病院にいきましょう。そして、あまりオリジナリティを追求するよりは、今はいろんなバイブが出ているので、専門の商品を使ったほうが安全だと思います。2000円前後でも十分買えます。
 せっかくなので、指入れについても書いておきます。
 もし、膣に指を入れるなら、爪を深く切って、できればやすりをかけたほうがよいと思います。爪やすりは、ネイルファイルともいわれ、ドラッグストアのネイルケアグッズのコーナーなどで売っています。紙のやすりが安価ですが、私は洗って繰り返し使えるガラス製のほうがお勧めです。ネットでも買えます。たとえばこんな感じです↓

ブラジェク ガラス爪やすり 90mm 両面タイプ(プレーン)

ブラジェク ガラス爪やすり 90mm 両面タイプ(プレーン)

使い方はネットに動画があがっています。最低限、自分に手のひらをむけて、爪が見えない状態になっているところまでは削ったほうがいいと思います。
 指を入れる前には手をしっかり洗いましょう。手術をするわけではないので、そこまで神経質になる必要はないと思いますが、無防備な粘膜を触るのだ、ということは念頭においてください。それから、肛門を触った指は大腸菌が付着している可能性があるので、そのまま膣に入れてはいけません。
 膣に入れる時には、十分に濡れてきてからのほうがよいです。いきなり入れると摩擦で痛いです。もしくは、ローションを使ってください。今はローションも女性をターゲットにした商品が出ていて、低刺激をうたうものもあるので、ネットなどでよく探してみてください。
 指は、指の腹を上にしてゆっくりと滑り込ませてください。突っついてはいけません。指入れは豆腐やトマトを包丁で切ったり、ゆで卵の薄皮を剥くよう繊細な作業です。押しつぶさず、力を入れず、しかしあまり迷わず。私は自分の膣なので十分に加減して練習で来ましたが、膣のない人は自分の肛門で練習してみてはどうでしょうか?この最初に指を入れるところが一番難関だと思います。
 入れた指で中を探ります。指の抜き差しをする場合は、相手にスピードや強さを聞いたほうがよいです。はやければいいというものでもありません。繰り返しになりますが膣の形はみんなそれぞれ違いますし、体調によって感じ方も違います。たとえば、膣を潤す分泌物は体液なので、汗をかいて水分が不足する状態だと出にくくなります。また、暑くなると下着の中が蒸れて、膣内のコンディションが悪くなることもあります。「今日の指入れ」は、「昨日の指入れ」とは違うことを忘れないでください。膣は生き物の器官ですので、日々変化しています。膣の夏バテにも気をつけてあげてください。
 以上、つらつらと書きました。途中で、別の人の紹介している動画がとてもよかったので紹介します。やはりコンドームを使ってペニスを膣に挿入する場合も、爪はやすりをかけておいたほうがよいようです。
「コンドームの正しい着け方」

追記

 みやきちさんが、この記事を紹介して下さり、さらに爪切りについて詳しく書いておられます。ぜひこちらもご覧ください。

「膣に指を入れるなら、爪を切ってやすりをかけ、自分のほっぺ(または唇)でチェックしよう」
http://d.hatena.ne.jp/miyakichi/20110728/p1

やっぱり、指入れはけっこうたくさんの膣にとって気持ちいいことなんじゃないでしょうか。
 それから、衛生面からラテックスの手袋が紹介されています。これは、手術用のものがネットで安く買えるのでおすすめです。ぴったりしていてズレません。

D-1124BディステックラテックスグローブPF ポリマー加工 S寸 100枚/箱

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私は実は衛生面からだけではなく、ラテックスの手袋の感触が大好きです。さらさらしていて、皮膚同士の接触とはまた違います。快楽面からもぜひ試してみてください。

*1:そういえば、アメリカのドラマの「SEX and the CITY」でも、性に熟練したサマンサがあまりにも大きいペニスに苦戦するというエピソードがありました