Perfumeはアンドロイド化していなかった。

 年末年始もずっとPerfumeを聴いていた。

GAME

GAME

「GAME」のほうが聴きやすいけどすぐ飽きた。「リニアモーターガール」「コンピューターシティ」「エレクトロワールド」ばっかりリピートしている。紅白歌合戦で、初めてテレビに映るPerfumeを観た。

前の記事で視聴者の視線によってアンドロイド化が進むかもしれないと予想していたが、大外れ。もちゃっとしたダンスを踊る、ばりばり人間らしい女の子たちだった。途中にロボットマイムが入るのだが、思わず「へ、下手だ」とつぶやいてしまった。やっぱりそこがいいんだろうなあ。*1
 私がアンドロイドじゃないかと目を疑ったのはこういうの。

フォーサイスが振付した「Second detail」今年の夏にドイツに行った時、偶然に「Semperoper ballet」という公演を知った。4つのコンテンポラリーダンスのプログラムの中の一つが、この「Second detail」。初演は1993年(たぶん)の作品でかなり古いが、そのぶん私のフォーサイスのイメージ通りの超絶技巧の振付だった。ほんとに、要素と要素の組み合わせで舞台が変化していく。だんだんロボットの国に迷い込んだような気分になった。最後はわかりやすいオチがつくし、私のような初心者にも親切な振り付けであった。
 私はどっちか選べと言われれば、断然フォーサイスのダンスをだけれど、Perfumeフォーサイスみたいにアンドロイド化してしまってはダメなんだろうなあ。正装してフォーサイスに行くのもいいけど、サイリューム持ってPerfume行くのも楽しそう。

ほんとに楽しそうだ。この曲は、ライブでは大盛り上がりするそうだ。ファンの中でも「生で歌うからだ」という意見や「そうではない」という意見が飛び交っているようだ。私も後者に賛同で、ライブではファンサービスとして意識されている曲のように見える。それがうまく効果が出てるだけだろう。加藤登紀子でいうと「百万本のバラ」みたいなもんだ。*2Perfumeに対しては、口パクで歌うことへ批判があるようだ。でも、やしきたかじんは「おれはディナーショーで口パクすることないぞ」と昔テレビで言っていたけれど、誰がやしきさんのことを誠実だと思うだろうか。*3
 Perfumeは、どう見ても本人の意志が発揮されているようには見えないところが、アイドルらしいし、ある意味ロボットと形容できるかもしれない。けれど、彼女たちは、ロボットと呼ぶには、あまりにも鈍くさくてかわいらしいので、人気者だ。きっと数年以内に男の子版のこうしたユニットができるんじゃないかな。ジャニーズあたりでどうだろう。だけど、こうした「どこにでもいる若い子」をアイドル化するというのは、スターシステムの否定である。そして使い捨てでもある。私が牧歌的にPerfumeを眺めていられるのは、メンバーがすでに10代後半だからかもしれない。
 打って変って再結成したSPEEDが以外によかった。特に今井絵里子がやたらニコニコしていて、しかもちょっと所帯じみていてかわいかった。と思ったら、聴覚障害を持った子どもが生まれて、葛藤を乗り越えて、また歌い始めたらしい。仁絵ちゃんが、相変わらず一人浮いていたのもいい感じだった。

*1:ちなみに私はストレートヘアを垂らしている子が一番好きです

*2:私は二回もコンサートに行った上に、サイン入りのCDも持っている

*3:そろそろ、やしきさんが紅白の総評をやるころだと思う。あれだけは、観ておきたい。