フィリップ・キャンデローロ

 今シーズンのフィギュアスケート浅田真央選手が、調子が上がっていると聞いて、12日から開幕したGPファイナルをテレビ*1で観戦した。浅田さんは昨日のFPではトリプルアクセルを二回も決めた。一度、転倒があったものの、キム・ヨナ選手を逆転して見事優勝した。ジャンプはもちろん、スパイラルとステップが格段によくなっていて見惚れてしまった。
 で、それはいいとして、今日のエキシビションの放映の時に、番組のつなぎに過去の選手たちのエキジビジョンが放映された。そこで、フィリップ・キャンデローロ選手の映像も出た。私はキャンデ(キャンデローロの愛称)の大ファンで、中学生*2のときには秋冬はテレビ欄をくまなくチェックして、フィギュアスケートのテレビ放映があればもれなくビデオに撮っていた。今でもテレビにキャンデが映るだけ目がうるんでくるのがわかる。やばい。なつかしくてビデオテープを引っ張り出して観たりしていた。それでネットでググってみると、youtubeにいっぱい映像が上がっている!
 とりあえず、今日のエキシビションでも出たダルタニアンのプログラム。

この映像は、長野五輪の直後に東京で開かれた、入賞者が滑るアイスショーだと思う。キスしまくっていてやりすぎに見えるが、NHK杯エキシビションでキャンデは特別扱いされていて、アンコールが3回くらいあって、客席を走り回ったりしていた。このときは、まだおとなしいほうです。
 こっちはリレハンメル五輪のエキシビション

よく考えれば、フランス選手がなぜアメリカ国旗を?フィギュアスケートは、オリンピックになっても、いまいち国家を背負った感じが味わえないスポーツです。ウィキペディアのキャンデの項を見ると、このパフォーマンスをみたアメリカの視聴者から、国旗の扱い方について抗議があったらしい。*3
 長野五輪のFP*4の動画も上がっている。私はこれはビデオで100回とは言わないけど、何十回も観た。

私は長野五輪のとき、高校入試の直前で長野まで行くことができず、テレビの前で正座してみていたので、銅メダルが決まったときには絶叫した。
 このあと、キャンデは引退して、結婚して、そのあと娘さんをもうけたはずだ。もちろん、祝福の気持ちもあったけど、「私たちのキャンデ」でなくなったのが、すっごくショックだった。アイドルの引退だったと思ってもらえれば。五輪の2年後くらいまでは、日本にもちょこちょこアイスショーで来ていた。私も、一回行って、花束投げた。でも、最近はめっきり情報も入らなくなってしまった。どうしてるのかなあ。
 若かりしころのキャンデの映像もあがっている。リレハンメル五輪のTP(テクニカルプログラム。現在のSPにあたる)「ゴッドファーザー」で、若かりし頃、なり上がろうとするドンのプログラムである。

FPでは、なり上がったドンの悲哀が描かれるプログラムになっている。

実は、この続編があって、五輪の次のシーズンでは年老いたドンのプログラムをキャンデは作っている。(動画は見つからなかった)
 やたら体力を使って、実際に滑ると難しいのだけれど、加点されるような技術はほとんどないプログラムである。現在の新採点方式なら、ジャンプも回転不足がいので、ぼろぼろの点がつきそうだ。旧採点方式で、人気があると高い点が付きやすいという、不平等極まりないシステムだからこそ、出てきた選手だろう。しかも、いまのこれだけ注目されているフィギュアスケートの世界だと、あのファンの過剰な盛り上がりっぷりは絶対にネットで叩かれた。(当時ですら、マナーが悪いとして、スポーツアイの読者欄で叩かれてたのに……)
 私は結局、キャンデの公式の情報はほとんど手に入れられなかった。せいぜい、スポーツアイで生写真の焼き増しを送ってもらったくらいである。まだ56kでインターネットをつないでいたころ、フランス語のできるファンが、たまに情報を流してくれていた。たしか、キャンデは郊外の貧しい家の出で(移民系だったのかもしれない)、アイスホッケーの選手だったのだが、コーチにスカウトされてフィギュアスケートに転向した。20代で自伝を出版するなどの行動を、品位に欠けるとしてバッシングされたとも聞く。同時期のフランスのスター選手はスルヤ・ボナリーという黒人の女性選手だった。今になって、1990年代半ばから末にかけてのフランスの状況と重ねると複雑な気持ちになる。プロに転向して以降、なかなか情報にも触れられなくなっているんだけど、元気にやってるんだろうか。*5

*1:ついにテレビをつないだ。これで紅白歌合戦も観れる。

*2:私の中学時代はやおいとキャンデに萌えて終わったも同然である。

*3:あと、荒川静香選手へのコメントでも抗議を受けたらしい。ほんとに不用意な人である。元ファンとしては、胸が痛い。頼むからわけのわからんことは言わないでほしい、お願いします。

*4:ちなみに、ここで解説しているのは五十嵐文男さん。ほとんどしゃべらず、ぼそぼそと技の名前を呟く。演技後の解説も、淡々と専門用語が出てくる。大変勉強になりました。静かに集中して観れるしね。盛り上がらなくてもフィギュアスケートは面白い、と主張しておく。(松岡修造が嫌いなわけでもないんだけどさ)

*5:しかし、トリノでの発言を見る限り、相変わらずなんだろう。また、日本に来てね。