蜷川幸雄「蛇にピアス」
- 作者: 金原ひとみ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2004/01/05
- メディア: 単行本
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なので、蜷川さんが映画化すると聞いたときは、「ぴったり」と思ったのでした。蜷川さんは、こういう不安定でバランスのとれない、美しい(←これ重要)若者を描くのが上手い。10代の、性的なことに興味を持ち、どんどん強い刺激を求めていき、大人を圧倒してしまうところと、突然、幼い生活観で大人を唖然とさせるところを、うまく捉えた作品だった。
ストーリーとかは、ほとんどどうでもいい。基本的に、台詞は棒読み。しかし、若者の美しさを愛でる趣味があれば、楽しめる。エロは、確かに暴力的*1でSM描写があって強烈。しかし、どこかしら昭和の香りが漂い、日活ポルノっぽくなっている。そういえば、主役の吉高由里子も、昭和顔だしなあ。現代の若者の刹那的な生き方、というよりは、性と生きる意味を求めて彷徨する青春を描いた作品。蜷川さんは、どこかしら、「若者は変わったって言ってるけど、根っこのところは同じだ」という風に見ているように思った。
アイドル映画*2なので、観る人はそのつもりで、観たほうがいいと思う。