優しくしてね?

 ちょっと吹いた記事。

無戸籍となった女性の子、「優しく対応」と法相

(5月23日11時9分配信 読売新聞)

 鳩山法相は23日午前の閣議後の記者会見で、民法772条に関連し、無戸籍となった女性の出産予定の子が無戸籍となる可能性が高いことについて、「お子さんの福利、福祉、安定のために特別な計らいができなければいけない」と述べ、子どもが戸籍を取れるように特別な配慮をする意向を示した。

 具体的な方法については、「これから民事局に検討させる。優しく対応したい」と語った。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080523-00000012-yom-soci

「優しい対応」(=配慮のある)は大事だと思うが、「優しく対応」ってういのは謎。「優しくするから」って言うときって、「だから我慢しろ」っていう言葉が続く気がする。そういうこと言われるのって、歯医者とか、無理やりセックスするときとか、たいてい痛い目にあうときなんだよ。実際のとる施策は痛みを与えるものだから、それをやわらげるために、せめて優しく対応するとか?それとも、怖がらせないように、あやす意味で?それとも「オンナコドモ」だからか?
 報道関係者さん、文脈もコミで伝えてくださいませ。疑心暗鬼になるじゃあないですか。結果的に「優しい対応」ができれば、それでいいのですが。

追記

 こういう前フリがあったのですか…。

ニュースでは、この無戸籍児が役所に受けた仕打ちについて証言する母親のインタビューがあった。戸籍がないことで、子供は、定期健診や予防接種などが受けられず、母子手帳は空白のままだという。役所には何度も言いにいったそうなのだが、そのとき「あなたの子供はいないことになってますから」と言われたのだそうだ。

zarudora「これはひどい観念論者ですね」『猿”虎”日記』
http://d.hatena.ne.jp/zarudora/20080520/1211292855

必要なのは「優しさ」ではなく、「正しさ」でしょうね。
 人間を管理するのは、システムではなく、人間だからです。どんな優れたシステムであろうとも、人間が作ったシステムであるかぎり、そこを逸脱する人間はいます。なぜならば、システムにエラーを起こす不確実が人間の人間性を担保しているからです。しかし、システムにとってはエラーであっても、それが人間のあり方だとすれば、人間を修正するのではなく、システムの側を修正すればいいのです。
 なんのために、役所に窓口があるのでしょう?なんのために、人間に目があるのでしょうか?システムの正しさを維持するだけならば、コンピューターのほうが優秀でしょう。しかし、システムの正しさを超える、人間の正しさの保持が必要です。一般的に、これは正義というのですが。