誰が誰に何を言うか?

 「あすの会」が、朝日新聞社に公開質問状を出した。鳩山法相を、「死神」と表現した件についてである。以下の部分がある。

特に衝撃を受けたのは犯罪被害者遺族です。
確定死刑囚の一日も早い死刑執行を待ち望んできた犯罪被害者遺族は、法務大臣と同様に永世死刑執行人、死に神ということになってしまいます。

犯罪被害者遺族は、これまで数多くの二次被害,三次被害を受けてきましたが、今回ほど侮辱的で、感情を逆撫でされる苦痛を受けたのは初めてです。
http://www.navs.jp/2008_6_25.html

犯罪被害者遺族とは誰か。「あすの会」に入っていない遺族、死刑を望まない遺族もいる。そうした遺族の存在への配慮が欠けた文章だ。中には、「確定死刑囚の一日も早い死刑執行を待ち望んできた犯罪被害者遺族」もいるだろう。しかし、彼らだけが遺族ではない。遺族は一枚岩ではない。
 私は、犯罪被害者遺族の中に、「死刑を求める人」がいることを批判しない。「死刑執行を待ち望む人」がいることも批判しない。しかし、「あすの会」が犯罪被害者遺族を代表できると思っているのならば、それは批判する。