NPO法人「静岡司法福祉ネット 明日の空」(設立準備室)

 先日、NPO法人「静岡司法福祉ネット 明日の空」(設立準備室)」の活動について知る機会を得ました。
 現在、刑務所から出所した人たちの「再犯」「累犯」が大きな問題となっています。もちろん、罪を犯すのはよくないことです。しかし、刑務所を出た後に、行くところもなく迎えてくれる人もいないため、お腹がすいて万引きや無銭飲食をして捕まってしまう人もいます。更正しようにも、何から手をつけていいのかわからない。孤独になって、自暴自棄になって、犯罪をおこなえば、警察が来てくれて、刑務所に入れてもらえる。そんなところにしか、すがることのできない犯罪者がいます。こうした生活困窮による犯罪を繰り返しを止めるための支援が必要になっています。
 法務省もこうした事態を重く見て再犯防止を目標に掲げていますし、「地域定着支援センター」も設立されました。

「矯正施設退所者の地域生活定着支援」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/kyouseishisetsu/index.html

このセンターは、出所した高齢者や障害者を受け入れ、福祉支援や就労支援につなげるために作られています。罪を犯した人々の22.9%が知的障害者、7.2%が高齢者であり、多くは生活困窮を理由に犯罪を繰り返しています。
 それと同時に、この「高齢者」「障害者」の枠組みに入らない、やはり出所後に孤立した人たちがいます。さらに、こうした「出口」の支援だけではなく、刑務所に入るまでの「被疑者・被告人」段階での「入り口」の支援も実は必要になっています。
 そこで、「明日の空」では行政が設定した「高齢者」や「障害者」の「出口」支援という枠を取っ払い、罪を重ねてしまう人たちへの支援を始めることになりました。まだ設立準備の段階ですが、あちこちから支援の要請が相次いでいるそうです。パンフレットには以下の協力のお願いが出ています。

連携・支援協力のお願い

NPO法人静岡司法福祉ネット明日の空は、現在、設立準備の段階ですが、私たちのところへは国選弁護人や検察庁から、既にたくさんの相談が寄せられています。万引きや無銭飲食等の軽微な犯罪を繰り返す人の多くは、人との縁が切れ、生活に困窮し、何かしらの支援を必要としている人たちです。環境を改善しないまま放り出すことは、再犯を防止しないことと同じです。誰もが、屋根のある暮らし、温かい食事、やりがいのある仕事、笑い合える仲間、そしてほんの少しでもホッとできる時間を求めています。罪を犯さずに生きられる社会、地域で支え合う社会の実現に向けての取り組みに、ご理解、ご協力をお願い致します。

賛助会員として支えてください

私たちの活動は、現在、補助金もなく、活動資金のない苦しい状況です。「活動に賛同する」、「支援が続けられるといいな」と思われる方には、会費で支えていただく「賛助会員」という支援があります。皆様の温かなご支援、ご協力をよろしくお願い致します。
賛助会員(年会費) 個人:3000円(一口)
       法人・団体:10000円(一口)
銀行振替口座 静岡銀行下土狩支店(普通)
       口座番号0518631
NPO法人 静岡司法福祉ネット明日の空
設立準備室 室長 飯田智子」宛

「明日の空」に込めた想い

 明日も今日も、来る日も来る日も、先の見えない不安や孤独感、生きづらさを抱え、「誰も信じられない」と嘆いたり、「何をやってもうまくいかない」とやけになったり・・・。そんな時でも、ふと見上げれば澄んだ空はどこまでも広がっている・・・。人は皆、この同じ空の下で生き、どこかで同じように空を見上げる誰かがいるのだと気づいて、少しだけ傷が癒される。失敗しても、絶望しても、明日、見上げる空が、明るい日へ続く「希望」と「勇気」の道しるべとなりますように。

NPO法人静岡市司法福祉ネット明日の空 設立準備室」
静岡県駿東郡長泉町下土狩1291-1 第2古谷ビル202
(おぎ法律事務所内)
E-mail:sfnet-ashita.sora@basil.ocn.ne.jp
(*電話やファックス番号はブログの管理者が省略しました)