Perfume「Perfume〜complete」

Perfume 〜Complete Best〜 (DVD付)

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いまさら、Perfumeを聴いてみた。かっこいいテクノではまりそう。(前半だけね。後半はちょっと……)なんだけど、PVを観て、びっくりした。もっと物質っぽいアイドルだと思っていたのに、全然加工されてない、そのへんにいそうな女の子3人組だった。特に「コンピューターシティ」なんて、「もうちょっとCG化してあげればいいのに」と余計なことを思ってしまう。これなら、浜崎あゆみGacktのほうがよっぽどアンドロイドみたいだ。ライブや生放送は別としても、PVでは彼らはより加工しやすい身体を提供するために、自らを鍛え上げる。
 要するに、Perfumeの3人は身体訓練がされていないということだ。表情の作り方や身振りも、ブレが多くてノイズが前面に出ている。テクノの音処理と動画の映像処理が美しいだけに、素材となる3人の垢抜けない感じが際立ってしまったのだろう。でも、だからこそ、いいのかも。チープでダサいところが、親しみやすく映るのかもしれない。*1モーニング娘。テライユキの中間点をとると、こうなるのか。もちろん、身体は「見られる視線」を内面化することで、自己訓練化されるので、最近のPerfumeはもう少しアンドロイド化されているかもしれない。
 PV観ていて、思いだしたのは、「少年ナイフ」。

なんか似たものを感じる。私の中でPerfumeはこの位置です。3人組だしね。Perfumeも 20年くらい生き残ればすごいと思う。(少年ナイフは、この間新メンバーが加入して、久しぶりに3人ユニットに戻ったらしいですよ)
 

*1:おそらく、(特に女性の)アンドロイド化をもっと先鋭化していったのは、1980年代から90年代の現代アートのシーンである。先日、ドイツで偶然、フォーサイスの91年作品の再演を観る機会があった。今でも十分衝撃を受けるくらい、とんでもない身体訓練のたまものであった。超絶技巧のフレーズとフレーズを組み合わせて展開する構成を追っていくうちに、朦朧となった。こりゃー15年前に観たら、もっとすごかったんだろうなあ。ていうか、ハイアートは、「やりすぎる」ことが美徳だから、ポップカルチャーとは全然文脈が違うんですけどね。