NPO法人「だいじょうぶ」
もう一つ、支援団体を紹介します。子どもの虐待防止に取り組む「だいじょうぶ」です。
24時間の相談窓口で、困っている子どもやお母さんの相談に乗っています。そして、「だいじょうぶ」が立ち上げたのが「母と子の居場所」です。ほかにも、子どもとうまく関われずに、苦しい思いをしている親のためのプログラムも実施しています。
虐待の問題では、児童相談所が介入して、家族から子どもを分離するイメージが広く流布しています。けれど、すべての子どもが家から逃げたいと思うわけではなく、できれば親といっしょにいたいから、虐待を止めて欲しいと願います。また、虐待を止めたいと思っている親はたくさんいます。そのため、たとえば放課後だけを上の施設で過ごしたり、親の側がプログラムによって行動を変えることによって、親子を分離せずに虐待をなくしたり、やわらげたりすることを模索する援助ができます。「虐待親=モンスター」という単純な構図ではなく、どうすれば親子がうまく暮らせるのかに焦点を当てて、何ができるのかを考えていく支援です。
もちろん、すべての親がこうした援助で、虐待を止めることができるわけではないだろうし、どうしてももう統合できない家族もあると思います。けれど、分離か放置か、ではない形の上のような支援が、もう少し知られるようになるといいな、と思っています。