警察にひどい扱いを受けたら

 暴行を受けたために保護を求めて警察に電話すると、被疑者扱いをされた上に、DNAサンプルをとられそうになったという経験談がweb上で話題になっている。

烏賀陽弘道さんが体験した警察の横暴」
http://togetter.com/li/82613

読んだ人の多くが驚き、憤っている。
 警察は、「社会の秩序を守る」のが仕事であり、「個人ひとりひとりの生活を守る」ことはない。だが、「市民を守る」という言い方で、まるで警察が自分たちの見方であるような錯覚を起こしやすい。警察官の中には誠実で良い人もいるだろうが、集団としては暴力行為を容認される権力を持った人たちだと捉えたほうがいいだろう。警察・検察関係の取材を重ね、事情をよく知る烏賀陽さんでも、対応では苦労されている。
 ブックマークコメントでは、「こういう場合、どうすればいいのか?」「相談窓口はないのか?」という声があがっているので、紹介しておく。

救援連絡センター
http://qc.sanpal.co.jp/

一瞥してわかるように、完全に左翼の作った団体である。1969年に、次々と左翼活動家が逮捕される中で、警察権力への抵抗と被逮捕者保護のために設立された。対警察のマニュアルの冊子も販売している。

「救援ノート」
http://qc.sanpal.co.jp/kyuennote/

職務質問への対応や、PCデータの扱いなどについて、書かれている。また、web上でも職務質問対策について情報が出ている。

職務質問対策」
http://qc.sanpal.co.jp/suppression/police-checkup/

現在、資金難であり、この団体の財政支援が必要だと訴えている。

「財政支援」
http://qc.sanpal.co.jp/center/donation/

私も、ケータイのアドレス帳には、ここの電話番号を登録している。


 私自身、先日、暴力が起きている場を認知して警察を呼んだ。私は、暴力を振るう側も、振るわれる側も面識はなかったのだが、とても自分の力で介入できないと判断して電話をした。幸い、暴力はすぐにやんだのだけれど、やってきた警察官の態度はぞんざいで、通報した私が話そうとしてもすべて無視して、隣に立っていた同居人(男性)に話を聞こうとするのである。警察は相変わらずだなあ、と思った。(腹が立ったので、「警察はいまだに性差別的な対応をするのですか?」と抗議しました)
 また、性暴力被害者支援にかかわっていても、大きな壁になるのは警察の無理解である。ストーキングに関しても、ずいぶんと警察側は丁寧に対応するようになっている。しかし、それは「典型的な例」だと彼らが認知するケースの場合である。すなわち、「無垢な女性」が「異常な男性」に物理的被害を受けているケースに限られる。たとえば、同性間のストーキングであったり、被害者が勤労し定住していない場合には、まともな対応が得られないことがある。そのため、被害者は警察と交渉しなければならない。この場合、警察対応に慣れた支援者に同行を求めるのは有効だろう。性暴力被害者支援団体(DV対応しているところでもよいと思う)や、女性センターの窓口などで相談してみるのも一案だ。(男性の被害者の場合は、より厳しい状況におかれる。相談機関ではないが、当事者のサイト*1から情報を収集するくらいしか、私もいい案を持っていない)