『父さんへのポストカード』映画上映会&感想会

『父さんへのポストカード』映画上映会&感想会

映画の案内:

日本でもスタンスカンパニーから配給された『プリンス.イン.ヘル』の監督であり、本作を監督したHIV positiveでゲイのミヒャエル・シュトックは、子供の頃、父親から性的虐待を受けていた。その25年後、彼は家族や友人たちと会話をし、その虐待が家族それぞれにとってどういうものであったかを映画に描き出す。2010年のベルリン映画祭で上映され、同年の関西クィア映画祭でも日本初上映された大作。

原題:Postcard to Daddy (http://www.postcard-to-daddy.de/)
監督:ミヒャエル.シュトック Michael
Stock (http://michael-stock-filmemacher.de/)
時間:86分 制作2010年(ドイツ) 
字幕:日本語.英語
字幕協力:関西クィア映画祭(http://kansai-gff.org/
音声:ドイツ語

上映会

3月21日(月・休日)
第1回上映→13:30〜15:00 
第2回上映→15:15〜16:45 
1回目の上映をご覧になられた方は、無料で2回目の上映もご覧いただくことが
できます。

感想会

3月26日(土)
18:30〜21:00 
映画を観て感じたこと、話したいことを交換し合う場です。聞きたいだけの人も
どうぞ。

会場:

ひとまち交流館 (河原町五条下る東側)
http://www.hitomachi-kyoto.jp/
上映会:第4会議室
感想会:第3会議室

市バス4,17,205号系統「河原町正面」下車 京阪電車清水五条」下車 徒歩8分 地下鉄烏丸線「五条」下車 徒歩10分 駐車場 最初の1時間400円、以後30分ごとに200円。台数に限りがありますので、可能な限り公共交通機関でお越しください。

料金:

上映会1000円 感想会無料

代表連絡先.お問い合わせ:『父さんへのポストカード』上映実行委員会

電話:090-8237-8417 メール:yakabicci@ezweb.ne.jp

『父さんへのポストカード』上映会実行委員会より

 父さんへのポストカード、なのに私に届いたポストカード。
あなたを知っていました、と私の心はミヒャエルと対話していた。サバイバーたちに、届いたポストカード。悲しいけれど、その軌跡はよく知っていて、愛と死と生きる勇気の苦しさせつなさが、めいっぱい詰まっている。
 性暴力サバイバーが、何をどう、闘っているのか、知ってもらいたい。わからない、のはいいんです。でも、きっとあなたのセクシュアリティを語ることにつながっていくはずだから。
(やかびゆうこ)

 作品を観ながら私は思い出していました。出会ってきた仲間のことを。彼らが見たもの、考えたこと、感情、体験を、語ってくれた話を思い出していました。
 今もどこかで生き延びている彼らのことを、まだ繋がれていないけれどどこかに居る彼らのことを、もう二度と会うことのできない彼らのことを。私は思い出していました。
『親は子を愛すべき、愛するもの』それがフツー。『子は親を愛すべき、愛するもの』それがアタリマエ。ほんとうにそうですか?加害.被害者関係になる可能性をも孕んでいるのが、親子というもの、家族というものではないでしょうか。
 父から息子への性的虐待は実在します。父から娘へ、母から息子.娘へとも在るように。
 大したことじゃないと、自分の気持ちをおいてけぼりにしないでほしいと願ってます。されてきたことが『愛』だと刷り込まれて傷ついて、してきたことは『愛』だと思い込んで傷つけてきました。とても深く。あなたのそれは『愛』ですか。
(弥生)

 私には、ミヒャエルの父親を、「異常な」人として消し去ってしまいたくなる衝動が強くある、と同時に、自分の中にも絶対に消し去ることのできない何かが間違いなくある、と思う。私は、男性として自分のセクシャリティの「わからなさ」を抱えているからこそ、それが他人への暴力に繋がっているのではないかと恐れている。長い時間と幾度もの中断を挟んで、自らを語るための言葉を重ねていくミヒャエルとはあまりに対照的に言葉を持たない加害者である彼の父親。そこにこそ、男性のセクシャリティについて、猥談にするのでも、抹消するのでもなく語るための鍵が確かにあると思う。この上映会を通じてその鍵を探したいと思う。
(羽田孝之)

私は無邪気さ・冷酷さを求めて、ゲイの監督の作品としてこの映画を見に行きました。しかし映画の中の監督は優しい。父親に対して、母親に対して、家族に対して。まわりの、そして自分の中にもある(と私は思います。)無邪気さ.冷酷さに今まで傷つきすぎてきた姿がそこにあるように思いました。
(白河貴美)

(転送・転載歓迎します!)