未來社のホームページが改装されたそうです

新しいホームページはこちら。

「未來社」
http://www.miraisha.co.jp/np/index.html

 月刊PR誌「未來」9月号*1で西谷さんが改装について、思いを綴っています。これまでのホームページは、一日平均400〜500のアクセス数だったそうです。それが、SEO対策をした結果、これまでの月間最多アクセス数128502をはるかに超えたのはもちろん、5日間で20万ヒットに迫る勢いだそうです。ただし、こうしたアクセス数の伸びが、書籍売上に結びつくかどうかはわからないとのことでした。
 また、セキュリティ費用をねん出できないため、ホームページからの個人購入や、書店からの注文のフォームを閉鎖することになったことそうです。その結果、web上からは、オンライン書店へのリンクを通してしか、未來社の書籍を購入できなくなりました。その点について西谷さんは「書物復権に加担しているわたしとしてはオンライン書店のみ利するようで忸怩たる思いがあるが、ご寛恕ねがいたい」(43ページ)と書いています。
 その代り、「日録」*2の更新システムを改良したので、西谷さん個人の情報発信はブログ形式でやりやすくなった、とのことでした。(読んでみると、西谷さんの作業記録でした。出版に興味のある人は参考になるかも知れません。
 私は、子どもの頃から父が持って帰ってきた「未來」を読むのが楽しみでした。かれこれ10年以上断続的に購読しています。ベルリン、プラハ、モスクワなど*3に住む作家やエッセイストの都市通信も楽しみです。今、私が毎回最初に読むのは、何言ってるさっぱりわからない小林康夫の「〈歴史の真理〉に向かって 思考のパルティータ」です。いまだにパルティータって何なのかもわかりません。今月で終了した「書店のABC」は、約5年ほどの連載になったのではないでしょうか。リレー方式で、書店経営者の経験や考え方が述べられてきました。連載初期の、丁稚奉公に古本屋に行っていた人の話など、今も印象に残っています。そして、この西谷さんの「未来の窓」という未來社社長としての、書店業界・出版業界をめぐる指針や方向性についての率直な文章は、いつも楽しみにしています。気がつくと、宮本常一の資料を買いそうになるくらい、「未來」を愛読しています。
 もちろんネットでの情報の発信も大事だけれど、こうしたPR誌の取り組みが枯れてしまわなければいいな、と思います。もともとは、新刊案内として作られた冊子なのでしょうが、気軽に読めるという、独特の出版物になっていると思います。続いて欲しいです。

*1:書店で無料配布しています

*2:http://www.miraisha.co.jp/np/diary/index.html

*3:わかりやすく「未來社」的!