性的虐待を受けた子どものための本

少し古いまとめなのですが、子どもの頃に、性的虐待を受けたかたが、体験をツイッターで書いています。 「性的虐待を受けた子供のその後」 http://togetter.com/li/77543 記憶が四十年も消えず恐怖も拭い去れない。誰にも言えなかったことが尾を引いた原因で…

授業等で性暴力の描写を含む映画を上映する際の注意

先日、「ゆるせない、逢いたい」上映会*1を行い、大変充実した議論を行いました。近日中に、報告をアップしたいと思っています。 さて、この映画はデートレイプの問題を取り扱い、性暴力の場面も作品内に含まれます。全国の大学で、この作品の映画の上映会を…

金井純一監督「ゆるせない、逢いたい」上映会&トークイベントのお知らせ

イベントのお知らせです。金井純一監督「ゆるせない、逢いたい」の上映会&トークイベントを行います。本作品は、11月16日より全国公開される新作映画です。 金井純一監督「ゆるせない、逢いたい」 http://yuru-ai.com/ 作品では、高校生の主人公はつ実がデ…

杉山春「ルポ虐待――大阪二児置き去り死事件」

ルポ 虐待: 大阪二児置き去り死事件 (ちくま新書)作者: 杉山春出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2013/09/04メディア: 単行本この商品を含むブログ (23件) を見る 2010年夏に、母親が二児を置き去りにした事件がある。三歳と一歳八ヶ月の二人の子どもたちは…

「ゆるせない、遭いたい」という作品ができたそうです

秋から「デートレイプ」とその後を描いた作品が公開されるそうです。 「ゆるせない、遭いたい」 http://www.yuru-ai.com 作品紹介は以下です。 出逢ってまもなく恋に落ちた十代の男女。互いへの想いを募らせていくふたりだったが、あるちょっとした誤解やス…

産經新聞の性犯罪特集その後

数日前に批判していた*1、産經新聞の性犯罪特集ですが、今日、完結しました。最後の第四回はとてもいい記事でした。 「『強姦加害者の8割は知人』の難しさ、パワハラとセットに…被害女性は救済されず、加害者“野放し”の現状の不条理」 http://sankei.jp.msn…

正義漢ヅラをして、被害者を追い詰める人たち

偶然だが、下の性暴力救援センター大阪(SACHICO)の活動報告に関する記事*1を書いた直後に、産経新聞の今日付けの記事を読んだ。こちらもSACHICOの活動に触れているが、恣意的で被害者への二次加害の要素を含んだものである。タイトルからして、煽りが入っ…

戎能民江「性暴力被害者支援法制の方向性――性暴力救援センターの現場から――」

ジェンダー法学会の学会誌である「ジェンダーと法」No.10(2013年)に性暴力救援センター大阪(SACHICO)*1の活動報告がまとめられていたので読んだ。これは2012年12月7日に早稲田大学で行われたジェンダー法学会学術大会プレ企画「性暴力被害者支援法制の方…

男の中で語る

フェミニズムの知識があるとされる、男性の中で、性について語ることがある。そこにいる全ての男性が、フェミニズムの功績を認め、男女差別の解消を目指そうという気持ちが共有されているとする。そこで、フェミニズムやそれに関連の深い構築主義の限界が語…

産むことと産まないことの間

予想以上に、前の記事*1が盛り上がってしまい、書いた本人も驚いています。 私が「産みたい」のか「産みたくないのか」が気になってしょうがない人も多いようでした。でも、産みたい/産みたくないという気持ちは二値的なものではないし、単線的なものでもあ…

「子どものこと、ちゃんと考えたほうがいいよ」という暴力

私は31歳になった。男性のパートナーと同居しているので、表向き上、「幸せなヘテロのカップル」ということになっている*1。子どもはいない。たぶん、持つことはないだろう。 このたった三行を書くために、ものすごく緊張する。私にもそれなりに事情があるの…

エリザベス・バック「ソーシャルワークと修復的正義」

ソーシャルワークと修復的正義作者: エリザベスベック,ナンシー P クロフ,パメラブラムレオナルド,林浩康,大竹智,大原天青,小長井賀與,竹原幸太,中島和郎,村尾泰弘,山下英三郎出版社/メーカー: 明石書店発売日: 2012/11/02メディア: 単行本この商品を含むブ…

坂上香「ライファーズ 罪に向き合う」

ライファーズ 罪に向きあう作者: 坂上香出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2012/08/21メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る 著者の坂上さんは、1990年代からずっと米国の刑務所の状況や、受刑者や依存症者の回復や社会復帰を…

お父さんのヒロイズムはいらない

私が昨日書いたセックスワークに関する記事*1に対する批判をいただいたので、あげておく。 「お父さんが語る売春」 http://brighthelmer.hatenablog.com/entry/2013/05/30/045858 もうタイトルからしてゲンナリする。「お父さん」ってなんだよ?もし、内田さ…

原田伸一郎「表現規制とヴァーチャリティ : 『描かれた児童虐待』を めぐる法と倫理」

自民党、公明党、日本維新の会が表現規制に関する法案を提出し、その中で漫画やアニメ、CGなどと性犯罪などとの関連性を調査研究するよう政府に求めているため、ネットでも話題になっている。すでに雑誌協会・出版協会が反対声明を出しているようだ。 「『実…

セックスワークについては、日々議論されている

内田樹さんのセックスワーク論がブログであがっている。これまでのセックスワークについての議論を、内田さんなりにまとめた後、このように述べている。 「売春婦は保護すべきだ」という主張と、「売春はよくない」という考えをどうやって整合させるのかとい…

会田誠展抗議運動について(澁谷知美の批判を受けて)

東京の森美術館で行われた会田誠展が、一時期ネット上で議論になっていた。特に『犬』という作品は、四肢が切断された少女が描かれており、展示に対して抗議が起きる事態となった。 私自身は、東京まで展示を見に行く機会もなかったので、作品の内容について…

「性的虐待経験者が性産業で働く理由とその実態調査 支援編」

先ほど、郵便で届いたので、パラパラめくっただけなのですが、なかなかの衝撃だったので、紹介します。 「女性ヘルプネットワーク」*1という団体が、2010年度から、「性的虐待体験者が性産業で働く理由とその実態調査」を開始しました。その結果報告は、冊子…

性暴力に関する各政党の方針(衆議院選挙)

「性暴力禁止法をつくろうネットワーク」*1が、衆議院選挙に向けて、各政党について性暴力被害者支援についての公開質問状を送った。 「性暴力を根絶し被害者を支援するための施策について」 http://www.stop-sexual-violence-jp.org/modules/pico2/index.ph…

「分離主義の魅惑?—レズビアン・フェミニズム再考ー」

以下のイベントで、レズビアン・フェミニズムの分離主義についてお話させていただくことになりました。日本のレズビアンフェミニズムを研究してきた飯野由里子さんと、クィア研究者の清水晶子さんと議論します。 私はまだ、アメリカのレズビアン分離主義につ…

魅惑の分離主義

私はTwitterのアカウント(@renrakufontda)を持っている。そこのやりとりがまとめられて、読めるようになっている。主に金明秀(@han_org)さんへのリプライというかたちで、「ある問題の当事者」が研究の場で、その問題についてコメントするときに抱える葛…

生活保護とシングルマザー

現在、ある芸人の母親が生活保護を受けていた件が、マスメディアでもネットでも大きな話題になっている。問題となったのは、その芸人の母親が「不正受給」していたのではないかという疑惑が持ち上がったのだが、当事者の記者会見により、「不正受給」でない…

AVのファンタジーについては、男子同士で話し合ってください

清田友則(@tomonorikiyota)という学者のツイッターでの発言が話題になっている。清田さんの専門は現代文化論で、主にセクシュアリティを扱っているらしい。しかし、発言がすさまじい。きっかけになったのは、自分の授業に参加する女子学生に向けて「AVの…

二村ヒトシ「恋とセックスで幸せになる秘密」

AV監督の二村ヒトシが書いた、女性向けの恋愛ガイドを読んだ。恋とセックスで幸せになる秘密作者: 二村ヒトシ,山本直樹出版社/メーカー: イースト・プレス発売日: 2011/02/25メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 6人 クリック: 50回この商品を含むブロ…

「ハーグ『子の奪取条約』と国内法制」シンポジウム

MLで情報をいただきました。大阪で、ハーグ条約についての、法学シンポジウムが行われます。ハーグ条約の問題点については、以前もこのブログで紹介しました。 「ハーグ「子の奪取」条約の批准に関する慎重な検討要請 」 http://d.hatena.ne.jp/font-da/20…

JR西日本セクハラ事件、最高裁勝利に向けての集会

先日、朝日放送の「テレメンタリー」というドキュメント番組で、「誰も聞いてくれない〜レイプ被害を告発した障がい者」が放送されました。 誰も聞いてくれない〜レイプ被害を告発した障がい者 兵庫県に住む森崎里美さん(37)は、両手両足に重い障害を抱…

2月さるくびとシネマ「姉妹よ、まずかく疑うことを習え」「妻はフィリピーナ」「ルッキング・フォー・フミコ」「沖縄のハルモニ」「障害とセックスとビデオテープ」「In God's House」「女と孤児と虎」

メールでお知らせいただきました。京都で、性に関する映画の上映会があります。以下、転送歓迎だそうです。 こんにちは。 グローバリゼーションとひとの移動映画祭がお送りする映画の部屋、「さるくびとシネマ」2012年2月上映会のお知らせです。 今回は、こ…

「迷走する両立支援」2010 〜格差と少子化の国のワークライフバランスは、いま〜 

こんな電子書籍が発行されています。無料で読めます。 「迷走する両立支援」2010 〜格差と少子化の国のワークライフバランスは、いま〜 http://p.booklog.jp/book/40576 この電子書籍は、『迷走する両立支援』の作者である萩原久美子と、「イクメンプロジェ…

フェミニストは女性の美について、何と言ってきたのか

web上でミスコンについての議論が盛んになり、ある弁護士がフェミニストについての知識のなさをさらけ出して、あちこちから批判を受けることが続いている。私は議論に参加できてなかったのだけれど、「ミスコンに反対する人=フェミニスト=差異のない社会を…

むらさきロードパレード&プレイベントのお知らせ

MLでお知らせいただきました。子どもと女性に対する暴力を撲滅しようと呼びかけるパレードだそうです。 むらさきロードパレード&プレイベントのお知らせ 「あるこうよ、むらさきロード」は、子どもと女性に対する暴力をなくそうと社会に訴えるためドメステ…